自動販売機 夜明け前
- 紀元前215
エジプトの寺院におかれた聖水の自動販売機が、現在、確認できている最も古い自動販売機とされている。硬貨を投入するとその重みで装置の栓が開き、蛇口から聖水が出るという仕組み。
- 1615
イギリスでタバコの自動販売機が出回る。
- 1857
イギリスで郵便切手の自動販売機に特許が認められる。
- 1884
アメリカで自動販売機の特許が認められ、駅などにガムの自動販売機が設置される。以降、飲食品、タバコ、チケットなど、幅広い分野で実用化されていく。
- 1890
下関の指物師・俵谷高七が郵便ハガキの自動販売機「自働郵便切手葉書売下機」を開発。「売り切れ」表示および「コインリターン(返金)」機能などが搭載された画期的なものだった。なお、俵谷は赤色ポストの考案者としても知られている。
自動販売機 創世記・黎明期
- 1925
アメリカ人、ウィリアム・ロウが、複数の銘柄から選べるタバコの自動販売機を開発(近代自動販売機の祖とされる)。特許を取得する。ロウは翌年、自動販売機メーカー、ロウ・インターナショナルを立ち上げる。
- 1926
日本初の切符の自動販売機が東京駅・上野駅に設置される(ただし販売していたのは入場券のみ)。
- 1957
10円硬貨を投入するとジュースが出てくるカップ式飲料自動販売機が登場。
- 1962
コカ・コーラの自動販売機が日本で初めて導入。硬貨を投入して、瓶を引き抜く半自動式だった。全国に合計880台が設置。
- 1962
新三菱重工が国産初のカップ式インスタントコーヒー自動販売機を開発。
- 1965
富士電機が電子レンジ式の「ハンバーガー自動販売機」を発売。
- 1965
ペニイ商会(現・ペニイ)がカプセル型ケースに景品を入れて販売する「カプセルトイ」(いわゆる「ガチャガチャ」)自動販売機を輸入。
自動販売機 普及期
- 1967
100円硬貨(百円白銀貨)・50円硬貨(五十円白銅貨)が発行される。
- 1968
国鉄(現・JR)が、近距離乗車券発行用自動販売機を東京・大阪の主要駅に導入し(合計126台)、自動販売機が全国規模で普及していくきっかけとなる。
- 1970年代
多数の自動販売機を配備した、24時間営業の無人施設「オートレストラン」が登場。長距離トラックドライバーなどに利用された。「明るい家族計画」などのキャッチコピーで避妊具の自販機が薬局脇に設置されるようになったのもこの頃。
- 1972
世界初のホット or コールド自動販売機を三共電器(現・サンデン)が開発。
- 1980年代
成人向け雑誌の自動販売機が最盛期を迎え、全国に2万台以上が設置、毎月400万部以上が販売されたことも。
- 1986
世界初のパソコンソフト自動販売機「ソフトベンダーTAKERU」が正式サービス開始。フロッピーディスクに注文したソフトウェアを書き込む形式だった。
- 1998
消防法改正により、セルフ式ガソリンスタンドが解禁される。
- 2000
自動販売機の設置台数・売上金額がピークを迎える(560万台・7兆円)。以降、微減。
- 2000
変造硬貨を利用して自販機から釣り銭をだまし取る手口が全国的に広まったことから、500円硬貨のデザインが改められることに。
- 2003
災害時に飲料を無償提供する「災害支援型自動販売機」が登場。公共施設や病院などを中心に設置され、2011年の東日本大震災発生時などに活躍した。
- 2007
切手・ハガキの自動販売機が全面廃止。
- 2008
タバコの自動販売機がtaspoを利用した成人識別型に全面移行。
自動販売機 転換期
- 2010
大画面タッチパネル液晶パネルが内蔵された「次世代自販機」がJR品川駅に設置される。前に立つと内蔵センサーで購入者の属性を判断し、おすすめ商品を提案するといった仕組みを備えていた(以降、全国に展開)。
- 2013
東日本大震災(2011年)を受けて、日中の消費電力を最大95%削減する「ピークシフト自販機」が登場。
- 2015
世界初の開通機能付きプリペイドSIM自動販売機が、新関西国際空港と、東京・アクアシティお台場に設置される。
- 2017
スマホアプリと連動する「イノベーション自販機」が登場。JR東日本駅構内を中心に展開。現金投入口がないため、スマホでの決済か、交通系電子マネーが必須となった。
- 2017
Amazonが、オンラインで注文した商品を2分以内に専用のロッカーで受け取れるようにする「インスタント・ピックアップ」サービスを開始。「自動販売機の便利さを目指す」とし、カリフォルニア大バークレー校のキャンパス周辺5箇所にロッカーを設置した。
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